
魔女とハーブ
黒人の頭蓋骨にロバの耳、馬の踵、ドラゴンの血のわら、ライオンの歯、悪魔の靴紐、南京虫、肥えた雌鳥、天使の髪の毛、死人の指、鹿の目玉、熊の足などなど・・・これらのおどろおどろしい材料を、魔法使いの老婆が大窯の中で「ひひひ」と奇妙な笑い声を立てて煮立てているシーンのある物語を読んだことがありませんか?
ハーブを少しでも知っている人はもうお気づきでしょう。
そうです、これらはみんなハーブの名称です。どこかの慌て者の誰かさんが、魔女たちがハーブの名前を呟きながら煮立てているのを勘違いして、それらを本物として後世に伝えてしまったのかも知れません>

魔術とハーブ
いにしえの昔より、ハーブは人々の生活と共にあり、人間の歴史の中でその位置を占めてきました。シェークスピアは数々の作品にハーブを登場させましたし、ギリシャ神話では幾人もの乙女がその身を変えたものとして語られ、聖書の中にあっては聖母やイエスの奇跡の力を宿したものなどとして、ある時には悲劇を伴って、またある時には甘く切ない恋物語を彩るものとして様々な民話や伝説の中でハーブは欠かせない配役の一人でした。
エジプトではハーブはミイラ作りに欠かせない材料の一つでしたし、日本でもお風呂に入る習慣のなかった頃はお香(ハーブを擦り潰したもの)を焚いて体臭を隠していました。そしてあらゆる宗教の儀式においても、ハーブは重要な役割を占めていました。
あらゆる自然界に位置するもの、大地や海や川、石、風、雨、炎、植物や樹木、そして私たちが愛すべきハーブには驚くべきパワーが秘められています。そのパワーはハーブが健康かつ新鮮であればあるほど強く、満ち足りています。それぞれのハーブは異なったエネルギーを持ち、目的に応じた力を私たちに提供してくれます。


魔女の行う魔術とは自然界の中に存在する力をある一定の方向に向けさせるようお願いすることです。ですから魔術は自然と魔女との取り決め、すなわちお約束ということが言えます。ハーブはこうした一連の魔術の中で、自然界と魔女との間を取り持ついわば仲介人の役割も果たしてきました。ハーバルマジックはハーブに秘められた異なるパワーの性質を利用して行われうものですが、ハーブからパワーを分けてもらうことで自分自身のうちに内在する潜在意識の力を引き出し、大いなる自然、宇宙とのコンタクトを図ることでもありました。
だからハーバルマジックはまずハーブを植えることからが基本です。多くの魔女たちは自ら自分でハーブを育て、収穫したものでした。ひとえに魔術といっても一般の人が考えているような血も凍るような恐ろしい儀式や怪しげな妖術がそうなのではありません。もっぱら大地に実りをもたらす行為、大地を耕し種を蒔き世話をして刈り取ることをお願いして収穫する、それ自体が魔術であり全ての魔法の出発点なのです。

ハーブを用いた占い
ミッドナイトサマーイブ(6月23日)の真夜中、麻の実を撒きながら次の呪文を口づさみ教会の周りを12回休まず歩く。
そうすると赤い糸で結ばれた未来の恋人の姿が幻になって現れるのだとか・・・
麻の実を撒きますから
わたしの愛する人
どうか後ろからついて来て
その穂を刈り取って下さいな


くるみとシナモン、キャラウェイシードをすり潰し、バターと砂糖を加えて練り交ぜます。
これを九個の丸薬に丸め、枕元において眠ると、その夜見る夢が未来の配偶者の職業を教えてくれます。
お金の夢は紳士、雷は軍人、白のリンネルは僧侶、暗闇は 弁護士、 ざわめきを聞くと実業家、雨は召使い
バックアイ、またはジュニパーベリーを二つ用意して祈りを捧げ、火の中に投げ入れます。
二つとも燃え尽きたなら、今の恋人の愛は本物で二人は永遠に結ばれるでしょう。
はじけて飛べば、残念ながらその愛は実りません。


ヤローをフランネルの生地に縫い込んで
枕の下に入れて眠ると、未来の妻・夫が夢の中に現れる
但し、ベッドに入る前に次の唱え事をしなければならない
“ヴィーナスのかわいいハーブよ、その名はヤロー
私の愛する人は誰なのか 明日どうか教えておくれ”

ハーバルマジック
あなたの願望に見合ったパワーを持つハーブを数種類(奇数)ミックスさせて、それぞれの目的にかなった色の袋に包み、持ち歩くと強力なお守りになります。
例えば、愛情に関することは赤、又はピンク、金運など物質的な願望には緑、病気の回復にはオレンジや黄色、幸運を望むなら黄色、霊的な力の増大には紫、守護や浄化の目的には白、精神力の強化には青、防御のためには黄色か紫、といった感じです。
袋にハーブを入れるときには、ハーブを強く握り締め、願いを伝えることをお忘れ無く。


LOVE
愛のためのパワーを持つハーブ
ラベンダー・リンゴ・ローズマリー・ラヴィッジ・マジョラム・ジャスミン・スミレ・ オリスルート・オレンジ・クミン・コリアンダー・キャラウェイ・ヤロー ・クマツヅラ シナギク・ツルニチソウ・トーメンティル・バラ・イラクサ・ミスルトー・マンドレー ク・ミルラ・ナナカマド・セントジョンズワート・麦わら・ムラサキシキブ・アスパラガス・あらゆる豆・人参・シナモン・キジムシロ・クローブ・シクラメンの根・ニワトコ・シダの種子・ヘンベイン・リーク・レモン・レタスなど

新しい愛に出会うために
満月の夜にアロエをすりつぶしたものを左の手のひら一杯にもち、外に出て、次の呪文 を唱えます。まず、北を向き “愛よやってこい、北からわたしの元へ”そして右手で アロエを放り投げます。そして次に東を向き、同じように唱えてアロエを放り投げます。 これを南、西、と行います。