
Witch's tool
ここでは魔女が使う様々な道具
魔女のアイテムやツールについてご紹介します

Herbs & Spices
ハーブとスパイス
魔女は多くのハーブとスパイス、そして樹木や花を使います。
時にそれはお茶として、料理として、また入浴剤(薬湯)として。
生のものはもちろん、乾燥させ、ハーブオイルやビネガー、
シロップや軟膏など保存の利く状態にし、いざという時の常備薬にしたのです。
薬草魔女と言う言葉があるように、すべてのハーバリストが魔女の仲間です。
東洋西洋の場所を問わず、多くの魔女とその仲間たちが薬草を採取し育て、
人々の病を治すために先人たち(テオプラストスやヒポクラテス等)から受け継いだ
知識や技術を用いてきました。
産業革命が起こって暗黒の中世の世が明け、近代文明や科学へ導かれる支流が生まれてからは、
西洋の魔女たちは昔ながらのハーブや手技を用いる民間療法や薬剤師に従事するものと、
天文学や数学を学び占星医学を生業とした入口から錬金術やオカルティズムを経て、
科学を追及する近代医学の扉を開けていくものとの二通りに袂を分かつことになったのです。
ウィッチクラフト上のリチュアルでは、ハーブは地のエレメンツに属します。

Aroma&Magical oil
精油とマジカルオイル
アロマテラピー(精油)が用いられた歴史は古く、古代エジプト文明にも遡ることができます。
歴史に名高いクレオパトラがジャスミンの香りが好きだったことはよく知られており、
乳香や没薬などの樹脂からも香油としてそれらは作られ、利用されてきました。
1世紀の末、アラブの医師で錬金術師であったアビケンナは、
アロマセラピーの蒸留を自ら行い、それを患者に用いていたということです。
多くの魔女たちが同様に花やハーブ、樹木や果実たちの香り成分が人を癒すことを知っていました。
そして患者の心を慰め、身体の清浄さを保つために用いました。
生活においては常に季節の花々やハーブを飾り、
鍋でそれらを煮ては、家中に香りをくゆらせることを欠かしませんでした。
魔女は根っからのアロマテラピストでもあるのです。
そして、精油はワインとともに、水の元素、パワーの象徴であり、
マジカルオイルの原料として用いられ、その際にはリチュアルで用いるキャンドルに塗布されたり、
魔術道具や魔女自身の肉体を聖別するために用いられます。
マジカルオイル(ハーブオイル)としての精油は水と火の両方の元素に属するアイテムになります。

Incense
お香
お香も魔女たちが日常的によく使うアイテムです。
乾燥させたハーブや樹脂、樹木などを砕いてそのまま燃やしたり、
加工して保存のきくインセンスを作ったりもします。
ウィッチクラフト(魔女術)では風のエレメンツのシンボルで、
風のパワーを象徴するものとして、祭壇で焚かれます。
ほとんどすべての宗教において、インセンス(お香)は欠かせない必需品とも言えるもので、
世界中とあらゆる香りのお香が存在しています。

Stone
様々な石たち
魔女は石も用います。宝石も半貴石も小川に転がっている石も、なんでも。
ありがちなシュチェーションとして占い師が水晶球を前にして
未来を透視(スクライング)しようとしているところがありますが、
それは魔女というより、ロマ(ジプシー)の占い興行シーンのイメージですね。
魔女の場合、未来を透視しようというときに水晶球(クリスタル)ではなく、オニキスまたは鏡を用います。
石は占いに使うというよりも(占いに使うときもありますが)、
お守りの中に入れるなど、ウィッチクラフトで用いるアイテムになります。
石は大地のエネルギーの象徴であり、大地と私達を繋ぐためのツールとして使われます。
そして、ヒーリングの道具としても石をよく用います。
石が出している波動はとても微細なものですが、それぞれに異なっているので、
クライアントの乱れた氣の波動をある一定方向に調整するため役立つのです。
大きければ大きいほど、それは良いのですが、
小さいものでも組み合わせたり、身に着けることで良い影響を得られることがあります。
もちろん、アクセサリーとしても美しいですから、私はキレイな石か大好きですw

Pendulum&Dowsing rod
ペンジュラム&ダウンジングロッド
古い時代には樹木の小枝(L字ロッドの原型)を使って、水脈を捜すことがされていました。
井戸を掘り、命の水を確保することは今のようにライフラインが整備されていない
いにしえの時代には生きるために何がなんでも必要なことだったからです。
ペンジュラムも同じように水脈や探し物を捜すためのツールとして使われましたが、
もっぱら患者の身体の悪いところを捜すのに都合の良いアイテムでした。
手をかざして氣を感じ取ることをしていると、直接手に患者の邪氣を受けてしまうので、
道具となるペンジュラムを用いることでそれは間接的な行為となり、
ヒーリー(施療者)である魔女たちを守ることになるからです。
ペンジュラムはまた、Oリングテストをするのと同じような使い方が出来ます。
その人にとって、その薬草や食べ物を摂取することが有益か否か、
YesかNoかの身体の反応(回答)を得るのに使えるのです。
その食べ物が食用にできるのか有毒なものであるのか、
そうしたチェックすることでも昔は用いられていました。
そのように人間がすでに退化させてしまった、
野生的本能的からくる筋肉反応ともいうべき能力の代わりをするための道具が
ペンジュラムとダウジングロッドです。

Tuning fork
音叉
音叉は一般的には楽器の調律に使われるものですが、
魔女が用いる音叉は使い方や目的がまったく異なります。
音叉は特定の波動を出すので、この世ならぬもの、目には見えない存在に対して働きかけるために用います。
そして多くの人の、目には見えない身体に対して働きかけ、
その氣の波動を整え、刺激を与えたり、安らぎをもたらす目的で治療に使われます。
ウィッチクラフトにおけるリチュアルでは、音叉は風と雷のパワーの象徴です。

Candle&Lamp
キャンドル&ランプ
火のエレメンツの象徴であり、闇の中に光明を灯す道具として、
キャンドルもあらゆるリチュアルやウィッチクラフトの場面において、欠かすことのできないアイテムです。
なぜならキャンドルは火そのものであり、炎を起こすために必要な道具だからです。
古くは松明が用いられ、現代ではランプもキャンドルの代用になります。
祭壇には左右に白いキャンドル(アルターキャンドル)を灯すのが基本です。
これらにはホーリーオイルが塗られ、聖別されてから火が灯されます。
火は仏教での護摩焚きで知られるように、
邪氣や邪悪な想念などのエレメンタルを燃やし、煩悩を焼き尽くすパワフルな元素となります。
太古の昔の儀式や祝宴においては、
キャンプファイヤーのように屋外にて壮大な炎を上げるほどの焚火が行われましたが、
現代においてはせいぜい石油ランプかキャンドルを灯すことが許されるのみです。
何故って、火の取り扱いは慎重になされるべきですから。

Symbol
シンボル
シンボル(象徴)というのは、その存在をして言葉を超えた意味を伝える、特定の形をした図形のことです。
魔女の祭壇にはあらゆるものが飾られていますし、そのようなものを力や教えの象徴として、
道具や持ち物に刻んだりアクセサリーとして身に着けたりもします。
"人間の象徴"であるペンタグラム(五芒星・桔梗紋)はもちろん、生命の象徴としてのアンク十字架、
叡智であり陰と陽(男性性と女性性)のエネルギーバランスを表すヘキサグラム(六芒星・カゴメ紋)、
七芒星、ケルト十字、無限大∞のマーク、四大エレメンツを示すもの、天体のマーク、
カドゥケウス(ヘルメスの杖)、トリケトラ、ルーン文字、トリプルムーン、女神のマークなどなど。
Wicca'nの祭壇には、基本的に金属または円盤状の木に彫られたペンタグラムが飾られます。
言わずもがな、これらは大地のシンボルであり、
大地と人間を繋ぐエネルギーの入口そして、回転するチャクラ(エーテルセンター)を意味するものです。

Wand&Rod
ワンドとロッド
写真はクリスタルワンドですが、基本的には単なる木の棒(オークや柳の木の枝など)です。
魔法の杖ともいわれますが、
マジカル・スティックというとマジック(奇術)で使われるものと混同されがちですので、
魔術に使うものはマジカル・ワンドというのが妥当でしょう。
もともとは、儀式の際、地面にサークル(境界線)やシンボル(図形)を描くために使われたものでした。
占いで用いられるドルイド・スティックなどもワンドの一種になります。
むかし話では魔女が箒に乗っていますが、箒もワンドの一種です。
(儀式の場を掃除するために用いられる浄化の道具ですので)
本来、火のエレメンツを象徴するものですが、
クリスタルワンドや金属で創られたものは大地のエレメンツの象徴になります。

Asamei&Sword
アサメイとソード
剣(ソード)は、正義の審判を行う女神テミス(アテネ)の象徴です。
あらゆる秘儀の参入者がイニシエーション(入信儀式)を行うとき、
自分の心に「曇りも迷いも偽りもない」状態であることをこの剣を前にして宣言し、
過去を捨て新しく生まれ変わることを誓い、真理の道に進むための誓いをすることになります。
そのように武器としての象徴ではなく、過去を断ち切り、闇(邪悪)を振りはらい、
光のある方向へと道を切り開いていくことを現すものとしての象徴です。
祭壇に飾るものとしてはあくまでシンボルとしておくので、
ペーパーナイフとか実用性のない飾り用のもので十分です。
アサメイは小刀というかナイフのことで、様々な道具を作成するためのツールです。
ですから、工作用のものを使えばいいという感じです。
ウィッチクラフトでは風のエレメンツのシンボルになります。
Chalice,
Holy Water&Wine
聖杯、聖水とワイン
儀式上におけるワインは水のエレメントの象徴であり、
私たちの体内を流れる赤い血の象徴です。
水は、私たちが生きるためために欠かせないものです。
そのワインあるいは水を入れるための
聖杯(キャリス)もまた水の象徴になります。
Holy Grailとも呼ばれますが、
ウィッチクラフトではChaliceと呼ぶことの方が多いです。
また、タロットではカップという名称のほうが一般的です。
もちろんワイングラスや
普通のコップでも十分に代用できるものです。
後に説明するカルドロン(大釜)を使うときもあります。
水は浄化の象徴であり、
その身のケガレを洗い流すためのものです。
同時に神に捧げるための祝杯の意味をワインは持っています。
昔も今もお祝いごとに「お酒」は欠かすことのできない、
人々の心を高揚させる魔法の飲み物です。
聖水(ホーリーウォーター)は純粋な湧き水や井戸水に、
パワーの源たる氣を込めたものです。
キリスト教の聖水は
定められた手順によって浄められた水ですが、
神社やパワースポットにおけるご神水もまた
聖水と言えるものです。


Cauldron
大釜
よく魔女の大釜と呼ばれるもので、
おとぎ話の中では魔女がこの中であらゆるものを煮込んで、魔術のポーション(秘薬)を作っていたりします。
実際には、単純に薬草を煮込んで処方箋(煎じ薬)や軟膏を作ったり、
ハーブの蒸気を立てて芳香(アロマ)を楽しみ、空気を清浄していただけのことだったりします。
エレメンツ的には水と火の両方に属します。
キャリスの代わりに用いたり、中で香木やハーブを燃やしたり、料理を作ったり、ある意味で万能道具です。
我が家では南部鉄釜を使っています。
そういえば、「ハウルの動く城」のキャラクターに、カルドロンという名前のしゃべる炎がいましたね。

Musical instrument&Voice,Song
楽器と声、そして歌
魔女にとっては、楽器も声も大切な道具です。
楽器の音色や歌には人の心を癒す力があります。
音楽は人を励まし、力づけ、心をほぐし、高揚させます。
言葉は祈り、そして言霊(魂)。
古代において、儀式や祝祭で歌を歌うことは祈りを神に捧げ、届けることでした。
踊りもまた同じです。
命を祝い、神を讃えるために、人は祭事において、
踊り、歌い、楽器を演奏します。
様々な楽器がありますが、
打楽器は大地、管楽器は風、ピアノや琴は水、弦楽器は火のエレメンツに属します。
そしてハープシーコード、テルミン、シンセサイザー、ウィンドウチャイムなどは風、
シンギングボウルやクリスタルボウルは水です。
魔女はよく歌を歌います。
ウィッチクラフトにおける歌や声の使い方としては、
チャントとトーニングと言う方法があります。
チャントは現代でいうところのアファメーション、
トーニングは言霊と声の波動を用いる方法で真言のようなものです。
密教や仏教における法会の場でも、
声明(しょうみょう)やマントラ(真言)を唱えますが、
理由は似たようなものです。
楽器や声を使う宗教的儀式や方法は世界中に存在します。
その他、シンギングボウルやクリスタルボウルも使われます
Salt 塩
魔術で使う塩は、海塩(シーソルト)ではなく岩塩(ロックソルト)のことです。
塩もあらゆる宗教や儀式において、欠かせないものです。神道でもお神酒やお榊、お米と並んで、神棚に必ずお供えされます。
お清め(浄化)の象徴であり、ケガレを聖別するために用いられます。
ウィッチクラフトでは大地のエレメンツに属します。


Sand&Soil 砂と土
砂も土もウィッチクラフトではよく用いられるものです。
その中に邪を封じ込めたり、境界線(マジックシールド)を作るときに使います。
当然ながら、ウィッチクラフトでは大地のエレメンツの象徴です。
Tree nuts 木の実
植物の種や木の実は生命を生み出すパワーの象徴です。これらはお守りに入れられたり、飾りやアクセサリーとしてよく身につけられたりもします。多産安産の願いを込めて、女性に対するリチュアルに多く用いられます。
大地のエレメンツに属しながら、同時に火のエレメンツにも属するものです。


Shell 貝殻
貝殻や珊瑚なども海のパワーを宿すものとして用いられます。
主に海の(付近に住む)たち魔女たちがこれらを用いるわけですが、
今より昔には山の魔女たちはこれらを手に入れる機会があまりなく、手に入ったときには滅多に手に入らない宝物として大切にし、代々引き継がれることもあったようです。
これらもお守りに入れられたり、飾りやアクセサリーとして身につけられます。
エレメンツは水です。
Feather 羽根
鳥の羽もまた、よく使われるアイテムのひとつです。
森や山を歩くとき、偶発的に拾った羽根のことを、自然界から与えられた贈り物として、また超自然的な存在から何かの"みしるし"として受け取り、大事にします。
大きな羽根はペンとして、小さな羽根はアクセサリーに加工したり、自分自身や家や家族を守るための護符に使用します。
エレメンツは風に属します。また、パワーアニマルとしての鳥のエネルギーの象徴でもあります。


Bone&Tooth 骨と歯
私たちに命を与えてくれた動物たちへの敬意として、また命を最後まで無駄にしないという考えもあって、それぞれの動物たちの力の象徴として、動物たちを讃える意味で亡骸の一部を魔女たちは利用します。
よく悪魔的な存在の象徴として、髑髏のモチーフが使われますが、決してそのようなネガティブな意味で用いられたのではなく、動物たちが私たちに命を与えてくれたことを忘れないためと死を身近に感じるための意味合いからでした。
ギャンブルや遊びで使われるサイコロ(骰子)はその漢字が表すように、もともと動物たちの骨から創られたものでした。動物の骨を占いで用いたり、飾りにしたり、というのは世界中のあちこちで見られます。
サメの歯は航海のお守りや悪縁から身を断ち切るための護符として用いられたりします。
エレメンツは大地に属します。
Mirror 鏡
鏡はもっぱら魔や邪(呪い等)を跳ね返すための身を護る道具として、用いられました。
未来透視で用いることもありますが、それは特別な時だけです。
エレメンツ的には水と風の両方に属します。

Parchment 羊皮紙
本来マジック・シールを作成する際、羊皮紙に、ハトの血インクを使うべきとされています。ちなみにマジック・シールとは日本でいうところのお札や護符のようなものです。
とはいうものの、羊皮紙なんてイマドキなかなか手に入りませんが。ようするに工業的なものでなく、自然材料(もしくは動物由来)のものがいいということで、日本だったら和紙で代用できます。陰陽師も和紙使ってましたし…

Quill pen&Blood ink of pigeon
羽根ペンと鳩の血インク
ハトの血インクはズバリそのものですが、動物愛護の観点からもちろんアウトです。(元々は人間の血を使用していましたから自分の血を使えばという話も。それでも貧血になってしまうのでお勧めしません)。
いちおう魔術系のショップではハトの血インクと言う名の、普通の赤インクが売られています。それで十分です。そして、羽根ペンのほうがもっとらしく、気分が乗るというものです。でも、万年筆でいいと思いますし、和紙なら墨と筆ですね。


Book of Shadow
影の書
「影の書」と言う、魔女の日記のことです。
マジックスペルやリチュアルの記録、師から教えられた知識や秘儀、薬草の処方や治療法などを記録する、
誰にも見せてはいけない自分だけのレシピノートで、秘伝の日記になります。
必ず自筆で書かなければならず、
この世を去り行く前に「この人になら」と思ったものにのみ、知識を託します(手書きで写本させる)。
そして死後燃やして残さぬのが掟です。
その他、魔女が使うものとして、糸や紐などがあります。